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改造プラレール(Tuned Pla-rail)とは、タカラトミー(旧トミー)が発売している『プラレール』を用いた改造おもちゃである。 お知らせ:既にニコニコ大百科に以下のページはありますが、車両での改造プラレールでしかないようです。 https //dic.nicovideo.jp/a/%E6%94%B9%E9%80%A0%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%AB 一応このページでは車両だけでなく、レールの改造やモーター改造、更にはモーター改造におけるスピード記録や、こうした改造プラレールから生まれちゃったのかもしれない製品についての考察を扱っています。 項目名に問題がある場合は「改造プラレールにおけるレール改造」などと項目分割+改名させることも検討しています。(スピード記録だけ分割することも検討中) 概要 改造の種類レール改造 車両改造インテリア側 エクステリア側 記録への挑戦プラレール記録 その他の記録 公式側の意思と見解公式化したパーツ 復刻したパーツ その他 概要 プラレールの改造は1990年代ぐらいから存在しており、購入した車両のモーターを同じサイズ企画の『ミニ四駆』用にスワップしたり、ライトが無い車両に簡単な配線で取り付けるなどの装飾、レールそのものを改造して独自規格のレイアウトにするなどもあった。 現在も文化としては存在しているが、魔改造レベルなどの状況を見てタカラトミー側が「こうした改造プラレールは修理対象ではない」と意思表明するようになってからは、こうした改造は少なくなってきている。 また最近はタカラトミーもこうした改造プラレールを見て正式な製品として発売するのも増えているが、一方で3Dプリンターを使用したり電池・モーター以外の推進力を利用した車両改造など、より独自の路線を歩む改造プラレールも新たに生み出されている。 改造の種類 改造対象となるものは、車両を走らせる「レールや情景」と、「車両」そのものが対象となる。 レール改造 青色の曲線レールを1つで45度になる仕様に対し、改造プラレールでは「まがレール」より前からRの違う曲線レールや複線等を組み合わせた複々線や独立したポイントレールなどのパーツが作られることがある。 近年では3Dプリンターの登場により、溶接をしなくとも素材だけあれば1つもレールを買わずにレイアウトを組むことも出来なくはないほどの恩恵を受けている。(ただしレイアウト制約を完全に無視できるため、禁止としているルールも存在する) どちらかと言うとリアリティを求めるために作られたものが多いが、カントレールといった速さを考慮した改造もわずかながらに存在している。 後述する最速記録を狙うために、レールの中央部に鉄板を入れて車両には磁石を搭載して無理やり固定させたり、或いは両方に磁石を入れてリニアモーターカーにしてみたり、通電性のある素材にしてリアルにパンタグラフを用いたプラレールの再現にも使われることがある。 情景パーツについても改造が施されることが多いが、こっちは車両に干渉しないためリアリティを求めるものが中心となっている。 場合によっては同じタカラトミーが手掛けている『TOMIX』などの情景パーツを改造したり無改造でそのまま利用することもある。 また、ほぼ同じ規格の他社版プラレールである「ダイソーの『プチ電車』」や木製レールの『BRIO』などに、3Dプリンターなどを用いて「相互接続できるレール」を開発することもあり、これらを「ワンレール」として販売する会社も存在していた。 車両改造 車両そのものに改造を加えるもの。 車両には「インテリア」と「エクステリア」のパターンがあり、インテリア側は車両のパワーやスピードといった性能面が、エクステリア側は車両のリアルさを上げるといった景観面が一般的である。 タカラトミー側が改造プラレールに対して意思を出したのはこっちの改造による影響が大きく、新型のユニットでは改造しなくても良いようなものから修理しなくても大丈夫なものへと進化を遂げている。(というより改造しにくくなったという意見も) インテリア側 モーターの故障などによって個人による修理でも見られる改造で、同じ規格であるミニ四駆等のモーターを積むというモータースワップがよく見られる。 お手軽なレベルから、定格電圧などを考慮して乾電池側も(電動車を2両以上にするなど)改造する場合もある。 改造を進めるとミニ四駆と遜色ないスピードを出すことが出来るものの、「子供が安全に遊べる速度」(1km/h出ればいい方)でもなくなるし、「通常のレールでは脱線する」という状況も発生しやすくなるため、遊ぶ際には注意が必要になる。 ボディ側の改造は行わず、あくまでもモーターや電池、ギアなどの内部的な改造だけを究極まで煮詰めることを美学と考えているのもあるのか、テレビ東京で放送された改造プラレールのことを「神改造プラレール」と呼ぶことがある。 逆に速さだけを追求するためにゴムパッチンのようなスリングショットやロケット花火を利用したモーターではない推力機構へ変える場合も存在しており、100km/h以上の速度を出すための改造なら何でもやってしまう魔改造プラレールも存在している。 なおそうしたものは大抵レールの上を走らないことがほとんどであるため、レール側に鉄板を挿入して磁石で無理やり脱線しないようにする改造もなされたり、場合によっては別の方法で固定化することもある。 また、製品化されたリニアモーターカーの機構を応用し、100円ショップの磁石を利用したモノレールやミニ地下鉄のような機構を作る人物も現れている。 エクステリア側 車両そのものに改造を加えて、実在の広告車両から新幹線や特急車両の1編成のまるごと再現する、更にはLED等のランプを装着するイルミネーション改造などのものが上げられる。 かつてプラレールの公式ビデオでも「ペーパークラフト」を利用した簡易ボディスワッピングを紹介しているが、これらのほとんどはリアリティを追求するゆえの改造であることがほとんどである。 (現在のプラレールで採用されている「のせかえOK」というのはこのあたりが関係しており、同時にモータースワップをせずともそのボディのまま遊ぶことができるというメンテナンス等にも関係した機構ではないかと思われる) 近年は鉄道会社自身がキャラクターとのコラボレーションによる車両も走っていることもあって、非公式に痛電車のようなステッカー車両を作ったりするのも増えており、タカラトミーも鉄道会社とのコラボで発売することもある。(ぐでたまトレインなど) 車両そのものにシールを貼るだけでも十分な改造プラレールとなるが、それだけでは飽き足らずにペーパークラフトやパテ、3Dプリンターを駆使して独自に車両ボディを設計する猛者も居る。 一部車両は商品化の遠因となったり、バトル性のないプラレール車両だと公式イベントで参戦することもある。 『ダンガンレーサー』などのパーツを流用して「攻撃力」を追加する改造といった『バトレール』的な改造も見られることもある。 記録への挑戦 そんなわけで改造プラレールの1つの目標に、「最速のプラレール」となるものがある。 ほとんどの場合は、ミニ四駆のモーターをスワップし、バッテリーを増強する方式もあるが、前述した電気以外の推進方式を取ることもある。 プラレール記録 2024年現在、以下の記録が確認されている。 速度 日付 車両 方式 記録者 備考 153km/h 2020年3月29日 プラレールトーマス ロケット花火(ワイヤーロープ固定) HANADENInspire The Next(はなおとでんがん) ワイヤーロープに固定したロケット花火を推進力としたプラレールトーマス。プラレールの車両は使用しているが、プラレールのレールの上を走ってないので微妙かもしれない。 150km/h(推定) 2023年10月7日 E5系 新幹線 はやぶさ 電動モーター巻取り式(鉄板挿入レール磁石固定) BvqRzxi5 RZモーターを使って車体そのものを糸巻きの要領で引っ張りまくるという方式。一度行うとあらゆるものが大破する超危険なもので、速度計は160km/hと映像計算は140km/hでふらつきが起きている。このため推定公称値ということでこの中間の150km/hとしており、上記のはなでんの記録についても動画内で言及していた。 105.9km/h(推定) 2012年2月19日 (独自設計) ゴムパッチン めいてむし 独自に設計したボディで、ゴムによるアナログな推進を使用。しかし制御が効かずにカメラの三脚と激突して車両は大破した。 102.9km/h 2022年12月30日 南海50000系電車・ラピート CO2カートリッジ(鉄板挿入レール磁石固定) BvqRzxi5 モデルガン等で使われているCO2カートリッジを推進力にした、独自設計シャシーと車輪、更に磁石固定方式も採用。100km/hを超えたプラレールの中でレール上をちゃんと走る初記録となっている。 61km/h 2022年5月5日 E5系 新幹線 はやぶさ 京商MINI-Z用モーター(ミニ四駆用レールコース固定) BvqRzxi5 ミニ四駆用のコースにレールを横に引くという「加速器」のようなレイアウトとなっている。コースの内側には外側に行かないようおもりが搭載され、レールには潤滑剤を塗布し、充電率も高い状態でテストされている。 60.01km/h 2021年12月29日 E5系 新幹線 はやぶさ 京商MINI-Z用モーター(鉄板挿入レール磁石固定) BvqRzxi5 通常のプラレールでは使用されないバッテリーやモーターに改装し、独自設計したシャーシ・チタン製クラウンギアも装備。後述する神トレインの企画を個人レベルで凌駕。 36km/h? ? ? ? ? テレビ番組等の企画で出した記録、テレビ東京の「神トレイン」企画とは別? 32.4km/h 2016年11月29日 E4系 新幹線Max 独自設計モーター(鉄板挿入レール磁石固定) 五十嵐電機製作所テレビ東京 独自設計のモーターやシャーシ、金属製ギアに加えてレールに鉄板を挿入した磁石固定方式を採用。3両編成にそれぞれモーター・バッテリー・制御コンピュータを搭載したV150プロジェクトに似る構成。 18.4km/h 18.4km/hが公称値となっているが、これは32.4km/hは最後に脱線しているので非公認記録になっているのかもしれない。 4.025km/h 2018年6月3日 東京モノレール10000形 モーター Monorail channel モノレール車両最速記録ベース車両をシャーシやらパーツなどを全て改造したチューニングカーによる最高速チャレンジと似た構成。 ?km/h 2012年8月2日 (独自設計) 噴出花火 patyurisama ロケット花火や噴出花火を早い段階に搭載しているが、むき出しの状態でレール脱線対策もないものだった。また記録機等も無いため、速度は不明となっている。 その他の記録 プラレールではなくライバルのNゲージなどの記録。 速度 日付 車両 方式 記録者 備考 66km/h 2022年5月27日 (オリジナル) ゴムパッチンガイドレール kagemithu 『ド・ドンPower』をベースにリニアにも採用されている左右のガイドレールを搭載した『実験軌条』の装置。ガイドレールそのものもNゲージ用のレールを採用し、太めのゴムとオリジナル車両で記録を樹立。 49.17km/h 2021年12月10日 (オリジナル) ハイパーループ kagemithu 『トンネルPON』に『ハイパーX』という掃除機2台を使用したハイパーループ装置。走行実験も実施していたがあまりの速さに脱線しまくっていた。 40km/h 2017年8月18日 ML-500 プロペラ 江川芳章 「韋駄天(いだてん)! スピードコンテスト」で記録したHOゲージのギネス認定世界記録。 37.03km/h 2022年3月25日 N700系 N700S ゴムパッチン kagemithu 『ド・ドンPower』というNゲージのレールに独自設計の橋脚とゴムパッチン装置を搭載した方式。カントレールの実験等も実施していたため台車や車輪に負荷がかかって大きなダメージを産んでいたとのこと。 28.81km/h 2021年12月10日 (オリジナル) 急坂慣性 kagemithu 『トンネルPON』の急坂の高さを更に上げて線形を良くした改良型の記録。 22.07km/h 2021年9月17日 (オリジナル) 急坂慣性 kagemithu 『トンネルPON』というトンネルドンを再現する装置で出した記録。(急坂を一気に下って速度を出す方式)形状は現行新幹線のものを参考にしたものとなっている。 ちなみにkagemithu氏は速度とは別に明石海峡大橋のNゲージ完全再現にも挑戦し、2022年9月にギネス記録の申請を行うほどの超巨大レイアウトを作り上げている。 公式側の意思と見解 タカラトミー側は「こうした改造プラレールは公式には認めていないため、修理やサポートの対象から除外され、推奨することは出来ない」と表明している。 これは「子供が遊ぶと怪我をしてしまいかねない改造」も存在していたり、推奨してしまうと子供がマネをして怪我をして余計なクレームをかけられてしまうというリスクが出てきたため、公式側から表明を出さざるを得なかったのである。 (推進方式をロケット花火に変えた際、ロケット花火そのものが日本の消防法などに抵触するため、前述したはなおでんがんの企画では「ロケーションや関係各所への協力の元、実験している」との旨がちゃんと記載されている) こうした表明が出る前までは、タカラトミー側もある程度は黙認されており、公式イベントでも自作ボディによる車両が参加するシーンもあった。 現在は改造無しに目的を果たせる車両の登場や、モーター部分のユニットも耐久性を高める改良をしつつ、ボディそのものをスワッピングできる構造へ開発したため、改造レベルでなくても正規品の簡単なスワッピングだけで修理できるようになっている。 このため現在のモータースワップなどによる改造については逆に難しくなっており、シャーシレベルから3Dモデルして作るという改造でもないと難しいというのも事実ではある。 公式化したパーツ タカラトミー側も「プラレール博」などのイベントで、オリジナル車両を走行させたり、見解を出す前は事実上の黙認をしていたこともあった。 見解表明後は、改造しなくても純正で遊べるようなプラレールの開発も行うようになっている。 以下は改造プラレールから生まれた(と思われる)パーツや車両の一覧である。 車両の充実(いっぱいつなごうシリーズ、鉄道会社限定販売車両、PLARAIL REAL CLASSなど) 近年は鉄道会社とのコラボレーションによる商品や、フル編成をなるべく再現できるいっぱいつなごうシリーズなどが作られている。 またプラレールアドバンスの実質的な後継でもあり、トミカでいう「トミカプレミアム」のようなものとしてPLARAIL REAL CLASSが新たに展開を開始している。 レイアウトの自由度を高めてくれる追加レール(複線幅広ポイントレール、プラレールアドバンス用坂直線レール、S字レールなど) 非公式に改造していたポイントレールやかつて発売していたパーツの互換性も含めてタカラトミー側が発売しているレール類。 「まがレール」などのレール類もこうした改造プラレールから来るものだったのかもしれない。 これまでの車両と違う機能(スーパースピードシャーシ、アクションレール機能、折り返しなど) スピードに改造したプラレールへの回答として、『レバーでダッシュ!! 超スピードドクターイエローセット』が発売されている。 一応プラレールにおいての公称最速仕様はこのタイプということになっている。 またレールに専用の基板やワイヤー等を搭載し、車両にもマイコンを搭載してリアルな鉄道運転を開発した有志のパーツをヒントに、タカラトミー側が一つの答えとして公式化したパーツ類も存在している。 のせかえOK 数々のオリジナルボディ制作やペーパークラフトによるボディスワッピングを公式化したもの。 更にペーパークラフトの公式発展版ともいえるものとして『ES-12 マイプラレール列車』となるものが発売されている。 またこの機構からモーターなどの内部ユニットも新型のものに変えられ、基本的には「単三の乾電池」で動くものとなっており、これまで修理については分解が必要だったのがボディをスワッピングするだけで直るというものとなっている。 (ただし壊れたユニットについてはそのまま壊れたままであるため、SDGs的にはラリーのような交換修理よりもル・マンのようにそのユニットを純粋修理するべきではないかと思われる……) 復刻したパーツ また改造プラレールは時として「かつて発売されていたセットの復刻」を非公式に行い、それをタカラトミー側は本気で公式に復刻させたりリビルドさせたりする場合もある。 E5系はやぶさコントロールセット トミー時代に発売されていた「無線を装備した専用コントローラセット」が、非公式品として「無線を装備した電池と専用コントローラによる外部パーツ」が発売され、それをヒントにタカラトミーがガチで発売したセット。 モータートミカやプラロード系 プラレールとはちょっと異なるのだが、モータートミカやプラロード系も改造がなされていたことがあり、それをベースに復刻させてみたり、今のトミカシステムに繋がっている節もある。 極み!おとどけ!スシロー×プラレール かつて発売されていた「折り返し機構が搭載されていた車両」の復刻版。 またこのセットはいわゆる「プラレールによる回転寿司」に対する公式なりの答えにもなっている。 プラレール鉄道 かつてプラレールでもJRなどの鉄道会社とは無関係の独自の車両を発売していた時代があり、このプラレール鉄道はそれを発展させた1つのシリーズ展開となっている。 一部は『ハイパーシリーズ』の流れをくむようなデザインになっており、『ヒカリアン』の実質的な発展といえる『シンカリオン』みたいなことをやっている。 (ちなみに『ハイパーシリーズ』はトミカにもあったものをプラレールでもやったようなもので、一部のデザインは『仮面ライダー電王』のデンライナーに影響されたような色合いになっているのが存在している) その他 改造プラレールに触発されたのかは不明だが、タカラトミー側は『リニアライナー』となるもの発売していた。
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